十日ゑびす大祭

 

 雨が上がって、青空が広がる京都東山です。さて、今日は「十日ゑびす」となります。朝のワイドショーでは、西宮神社で行われた「開門神事・福男選び」の様子が報道されていました。午前6時に大太鼓が鳴り響き、通称「赤門」と呼ばれる表大門が開かれると同時に、選ばれた参拝者たちが本殿を目指して一気に走り出し、一着になった人が今年の「福男」して尊称されます。今までに女性が一着になったことはなく「福女」はいないそうです。いつもながら、迫力あるシーンですね。

 雙林寺から歩いて、およそ15分くらいのところには、西宮神社・今宮戎神社と並んで、「日本三大えびす」と称される「京都ゑびす神社」があります。「えびす」なのですが、地元では「えべっさん」と親しみを込めて呼んでいます。

 関西では恵比須さまに対する信仰が盛んで、毎年1月10日とその前後の日を、宵戒、本戒、残り福といって、お商売をされている方を始め大勢の人々が、その年の開運招福の祈願にお参りされます。特に「商売繁盛の福笹」が重要で、「商売繁盛で笹もってこい!」という掛け声が掛けられます。笹は「節目正しく真直ぐに伸び、弾力があり折れない」「葉が落ちず常に青々と繁る」といった特徴から、家運隆昌、商売繁盛の象徴となっているそうです。この福笹に、米俵や小判や鯛などの縁起物を付けて家に持ち帰るとさらに福を授かることができるとのことです。露店もたくさん出店されるので、子供たちにとっても楽しいお祭りのひとつですね。

 諸説ありますが、恵比須さまは、イザナギ、イザナミの神さまの間にお生まれになられたのですが、幼少の頃から体が弱く、3歳になっても歩けなかったため、葦船に乗せられて海に流されてしまったそうです。しかし、兵庫県西宮の海岸に無事に漂着したことから、西宮神社の蛭子神として祀られるようになったといわれています。お姿は、頭に風折烏帽子をかぶり、狩衣を着用して、右手に釣竿、左脇には大鯛を抱えて、海岸の岩にお座りです。常に笑顔でおられるのは、笑顔こそが幸福への門出であるとの教えからです。商売繁盛、大漁、交通安全、事業発展の神さまとして信仰されています。寺は商売をしないので、行かなくてもいいような?今日も楽しい一日を。