共命の鳥

 雲が多い京都東山です。今日の暦は、「すべての人が天の恩恵を受けることで福が訪れる日」とされる天恩日と月徳日が重なる吉日です。そして、「いい夫婦の日」となっています。「いい(11)ふうふ(22)」の語呂合わせと、11月は「ゆとり創造月間」で、夫婦で余暇を楽しむようにと、財団法人余暇開発センターによって1988年(昭和63年)に制定され、その後「いい夫婦をすすめる会」が、普段パートナーに伝えられない想いを伝え、気持ちをカタチにして贈る機会にしてほしいと推進しているとのことです。普段から感謝に関わらず、気持ちは表さないと伝わりにくいものなのですよね。

 ところで、「共命(ぐみょう)の鳥」をご存知でしょうか。一つの胴体に頭が二つあって、どちらもとても美しい姿と声で鳴いている極楽浄土の鳥のことです。頭が二つあるので、それぞれの頭で思考します。ある日、一方の頭の鳥が「もし、私一人の頭になれば、この世で1番美しく美声で鳴くことができるようになれる」と考えました。そこで、もう一方の頭の鳥に毒の実を食べさせることにして、殺してしまいました。案の定うまく事が運んだので、残った方の頭の鳥はこの世で1番の姿と鳴き声の鳥になったのでした。ところが、死んだ方の鳥の頭が徐々に腐り、胴体まで腐り始めたのです。そして胴体が一つで腐ってしまい生きていた頭の鳥も、結局は死んでしまったということです。

 つまり、和合ができなかったゆえに共倒れしてしまったというお話です。一人ではできないことをいろいろな人の協力で成し遂げられたとき、自分だけの利益にはならないはずです。本来はひとつの集まりであるにも関わらず、わがままな考え方を主張することによって、ほかの方にも迷惑を与えてしまうということがありますよね。自分勝手な思いを押し通すことは、周りが喜ぶことにならないのです。「己を忘れて他を利する」精神を忘れてはならないと改めて感じた次第です。

 ということで、いつまでも仲良くいい夫婦でありますように。今日も楽しい一日を。