聖天さまご縁日

雙林寺 聖天堂
 多少晴れ間も見えますが、曇り空の京都東山です。今日は、「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日にて聖天さまご縁日です。

 さて、聖天さまは恐いとか厳しい神さまだといわれていますが、そんなことはありませんから、少しも気にする必要はありません。親が子供を叱ったとき、子供は親のことを恐いと思うということに似ています。

 聖天さまは、他の仏さまよりも明確にご利益を私たちに与えてくださり、私たちを善人にしてやろうとされます。簡単に言いますと、いいことをするとご褒美(=ご利益)をいただけるということです。ご褒美をもらえるとまたがんばれる。それに、自分の努力に対するご褒美なので、ご利益をいただいて当然だと思って独り占めしてしまいがちです。しかし、よくよく考えますと、そこには多くの方々の理解や協力もあったはずです。にもかかわらず、周りの人たちに分け与えたり、感謝することをしないがために、聖天さまに叱られる(=バチが当たる)のです。流行りの言葉では「ぼーっと生きてんじゃねぇよ」って感じですかね。

 聖天さまはどんなお方で、何をよろこばれ、何を一番お望みになっておられるのかということや、本当の誠とはどういうことなのか、真の感謝とは何か、というようなことがわかるようになれば𠮟られることもなくなると思います。

 聖天さまはこのようにアメとムチで仏さまの世界に導いてくださる身近で信頼のおける神さまです。そもそも信仰は自分の人格を高めるためにするものですので、倦まず弛まず信じ続けることです。 おんきりぎゃうんそわか 今日も楽しい一日を。