正五九参り

しょうぐうさん

 晴れ空が広がり今朝は過ごしやすい京都東山です。今日は「一粒万倍日」ですね。「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という意味があり、何事を始めるにも良い日とされています。そこでおすすめなのは、「正五九参り」です。正月と五月と九月にお参りしましょう、ということです。ご存じなかった方は、来年からお始めになってみてください。

 なぜ、その月におまいりするのかと申しますと、諸説あるようですが、まずは、日本人の農耕文化からきているという神社説です。春は2月、種まきに先立って、農事安全を祈り、5月になると田植えがはじまり五穀豊穣を祈る、そして、9月には稲穂の収穫を迎えて豊穣に感謝するというお参りをしたことから始まったとされるものです。一方、お寺説はといいますと、もともとインドから伝わったもので、正五九の各月になると、仏さまがその人の善悪ぶりを視察に来られるという伝承があり、その月は特に修行に励んだり寺へ参拝に行ったりしたというところから始まったという説です。他には、goo国語辞典には「陰暦の正月・5月・9月の称で、忌むべき月として、結婚などを避けたり厄払いのために神仏に参詣したりした」との記載もあります。

 一般的に正五九参りをすれば普段の月よりも御利益を頂戴できるといわれていますが、個人的には、自然からの恵みをいただくにあたって、神仏にお願いをしたところから始まったのではないかと考えています。しかし、普段から仏さまとのお付き合いを忘れず欠かさずしていればどの説でもよいお話と思いますし、普段から参拝し、祈り続けていれば、所願成就がなされるのではないかと思います。寺へ参拝に行くという自分への戒めのひとつでもよいですし、日常のくらしのなかで様々なところに仏さまを感じることが大切ですよね。今日も楽しい一日を。