放生会

 

 曇り空の京都東山です。 京都府八幡市にある石清水八幡宮では石清水祭が催されます。清和天皇の貞観5(863)年、旧暦8月15日に「石清水放生会」と称して、八幡大神さまが男山の裾を流れる放生川のほとりにお臨みになり、生ける魚鳥たちを放ち「生きとし生けるもの」の平安と幸福を願う祭儀として始められたのが始まりだそうです。

 放生会とは、仏教における不殺生、不食肉の戒めに基いて、捕獲された魚や鳥などを買い受けるなどして野や海などに放って命を救う法会のことです。また、魚を放つ池を放生池と呼んだりします。

 「梵網経」には、あらゆる生き物は、前世では私たちの父母かもしれないから、その命を救い、放生せよと説かれています。また、「金光明最勝王経」には、お釈迦さまが前世で流水長者であったときに、流れを止められ枯渇した池で死にそうな魚のために、20頭の大象に水と食料を運ばせて命を救い、忉利天(とうりてん)に生まれ変わらせたという故事が説かれています。天台大師智顗さまが放生池をおつくりになって、このことを実行されたお話は有名ですね。

 我々が飼育しているペットたちは、もしかしたら、人間の生まれ変わりかもしれないと思えなくもありませんが、それ以外の生き物たちを前世では自分の両親だったかもしれないと思いなさいと言われてもそう簡単なことではないですよね。さて、どうしたものか。今日も楽しい一日を。