伝教大師さまについて

 雲は多いもののおおむね晴れの京都東山です。比較的気温が低く過ごしやすくなっています。さて、昨日は伝教大師さまのお誕生日でしたが、どんなお方だったのか改めて調べてみました。伝教大師さまに関する書籍は数多くありますが、そのなかでこちらの内容がわかりやすかったので、紹介してみたいと思います。

【伝教大師さまは、お坊さんになられるとき仏の教えを弘めて、すべての人がしあわせになるように導きますと誓いを立てられ、ただ一人、人の住んだことのない比叡山に登って、昼は学問をし、夜は座禅をして、智慧を磨き心を練り、寝食を忘れて修行をつまれました。その上、38歳のとき、命がけの航海をしてシナ大陸に渡り、偉いお坊さんから尊い教えを授って帰られ、天台宗をお開きになりました。

 伝教大師さまは、いつの世にも勝れたお坊さんが出て、人々をしあわせに導くようにしたいと考えられて、比叡山を坊さんの修行道場と定め、12年間山の中にこもって修行することにせられました。このためにのちの世になって、比叡山から、禅宗の栄西禅師や道元禅師、浄土宗の法然上人や浄土真宗の親鸞聖人、法華宗の日蓮上人など、次から次へと偉いお坊さんが出られて、その時代の人はもとより、今日に至るまで、日本国中の人が尊い仏の教えをうけているのであります。

 伝教大師さまは、わが日本の国を立派なよい国にし、国民全体がしあわせな生活をするために、日本国中の人が、三つの誓いを立てて実行するように申されております。

  • 悪いことは一切しません。
  • 善いことはつとめて行います。
  • 人のため、国のためになるようつとめます。

 これを比叡山の三聚浄戒と申しまして、これを実行する人が君子であり、菩薩というのであって、君子や菩薩といわれる人が多ければ多いほど、国は平和であり、ゆたかであり人々はしあわせであると申されております。(山田恵諦猊下著)】

 伝教大師さまのような立派な人にはそう簡単にはなれませんが、最低でもこの3つのみ教えを大切にし、日々暮らそうと改めて思った次第です。今日も楽しい一日を。