水引きの色

 

 いいお天気でせみが賑やかな京都東山です。さて、家内が御供のお菓子を買いに行きました。その際に「紅白で、御供と書いてください」と依頼したところ、店員さんに「御供なら黄白ですよ」と言われたようです。水引きの色のことです。「いえ、紅白でよいのでお願いします」と再度お願いしたにもかかわらず、譲らない店員さん、「御供は黄白です」とうとう「私はお寺の者です」と身分を明かして、ようやくご理解いただいたという笑うに笑えないお話です。その店員さんは、仕事熱心なのでしょうね。

 お寺へお参りに行くときは、仏さまへの御供物を持参します。この時に注意しなければならないことは、水引の色です。黒白や黄白は、先祖供養のためのお参りの時に使います。例えば、何回忌法要とか、お盆やお彼岸の時のお墓参りの際に併せて御本尊さまにお参りするときなどです。宗祖の何百年大遠忌と聞くと、記念行事のようにも思いますが、これも黄白になります。

 たまに、「聖天さまへ御供を」と言って黄白で持参される方がおられますが、きっとこれも、店員さんに言われてのことだと思われますけど、この場合は紅白になります。祈祷のためとか通常の参拝は紅白です。また、お供物を持参するときは、外のしで渡します。宅配便などで送付する時は内のしです。それと、どなたからのお供え物なのか仏さまにわかるように、恥ずかしがらずに、遠慮せず、お名前を書きましょう。

 このように、どういう目的で御供えをするのかを考えますと、どちらの色が適切なのかわかりますよね。今日も楽しい一日を。