神前結婚記念日

 久しぶりに晴れ空の京都東山です。朝から生け垣の剪定作業をしましたよ。さて、今日は「神前結婚記念日」だそうです。1897年(明治30年)、東京日比谷大神宮(現在の東京大神宮)の拝殿で初めて高木兼寛男爵媒酌の神前結婚式が行われた。その後、1900(明治33)年5月10日に「皇室御婚令」が発布され、皇太子(後の大正天皇)の御婚儀が初めて宮中内の賢所の御神前で行われた。それまでの結婚式は家庭で行っていたが、国民の間に神前結婚式をしたいという気運が高まり、神社はPR活動を行うようになった。とのことです。

 もちろん、仏式の結婚式もあります。法事と同じく寺で行いますが、寺ではなく自宅のお仏壇前で僧侶を招いて執り行うこともできます。が、準備が大変ですね。これは、自宅婚とでもいうのでしょうか。

 一般的に仏前結婚式は、僧侶が中心となって、仏教徒が行うものと思われがちですが、一般の方でも大丈夫です。昨今、芸能人や有名人が仏前式を挙げられて、一般の方も興味を持たれて広まったように思われます。仏式だからと言って、坊主頭にしなければならないとか、短期間でも修行をしなければならないということはありません。また、三々九度に指輪交換も行いますよ。

 お香が焚かれ、厳かな雰囲気の中で行われます。仏前結婚式には、仏さまの前で人生の道理を認識し、互いに敬い、尊重し合う心を持ち、夫婦和合、円満なる人格形成への努力を誓うという重要な意義が込められています。併せて、ご先祖さまにも結婚を報告できますので、今の自分たちが存在するのは、また、この幸せはご先祖さまのおかげなんだと、自然に敬う気持ちが芽生えるにちがいありません。昨今、国際結婚が増加し、新郎さん、新婦さんそれぞれのお国で結婚式を挙げられるカップルもありますが、日本人の心や文化に触れられる結婚式だと思います。

 仏教には「三帰依文」というお経がありますけれども、「人身受け難し今既に受く」といいまして、人間としてこの世に生まれることは難しく、幸いにこの世に生を受けたことは誠に有り難いものだと説かれています。そのことに気付くと同時に、両親の結婚があって私達が誕生しているわけです。その縁は過去から未来へと延々と続きます。新しい門出に際し、そのような深いかかわりの存在を再認識してもらいたいものです。今日も楽しい一日を。