行者餅

行者餅
 曇り空の京都東山です。 昨日は、祇園祭前祭(さきまつり)の宵々山を迎えました。山鉾が立ち並ぶ四条通と烏丸通は夕方から歩行者天国となり、19万人の人出だったそうです。私はいつのころからか出歩かなくなって、山鉾巡行もテレビで観るくらいです。とんでもない人に疲れます。

 ところで、「行者餅」という和菓子をご存知でしょうか。雙林寺から歩いて10分くらいの東山安井にある「柏屋光貞(かしわやみつさだ)」というお店で、毎年7月16日にしか販売されないお菓子です。予約もできないので、朝からお客さんが並んでいます。今年は買えました!

 白味噌あんと四角の求肥餅をクレープ状の薄い生地で包んだお菓子なのですが、隠し味?は、ちょっと変わっていて、粉にした山椒が入っているところです。食欲増進のはたらきがあるので、夏にぴったりですね。

「行者餅の由緒」なる書付には…

文化三年の夏、京の都に大疫病が流行し、ちまたは忽ち大混乱を来たしました。丁度、柏屋の先代が山伏として大峰山廻峰修行中に霊夢を授かり、帰洛後、その夢中のお告げ物を造り祇園祭りの山鉾の中なる「役行者山(えんのぎょうじゃやま)」にお供えし古知縁者にも頒配したところ、その人々は悉く疫病から免がれ、無病息災の霊菓であると喜ばれました。その故事に倣って、これを「行者餅」と銘付けて、毎年難修苦行の大峰山修験を終え、斉戒沐浴、特自の法をもって謹製し、年に一度「役行者山」巡行の前夜即ち、宵山一日に限り、発売するを佳例と定め、尊家の御繁栄を祈って、この霊菓を貢ぐことに相成りました。

と書いてあります。あっという間に売り切れますから、まだ食べたぁらへん方は、来年おこしやす~。今日も楽しい一日を。