仏手柑

 

仏手柑
 曇り空の京都東山です。巷ではクリスマスですが、宗教を越えた年末の国民行事となっていますね。
 さて、この異様でユーモラスな形をした果実は、先端が枝分かれしている部分が千手観音さまの手指にも見えることから「仏手柑」と呼ばれています。私は八葉の印に見えたりもするのですが、御供としてあがりました。

 ミカン科ミカン属の一種で、シトロンの変種で、ユズなどと同じ香酸柑橘に分類され、原産はインドの東北部とされているとのことです。

 この仏手柑は、見た目も特徴的ですが、柑橘系の大変よい香りもするので、観賞用としても楽しまれているようです。内陣はほんのりといつものお香とは違う香りに包まれています。また、仏さまの手ということから、「代々(橙)家が栄える」とか、末広がりの形から「商売繁盛」などの縁起物として、また、活け花や正月の飾り物などにも用いられているそうです。

 そんな仏手柑ですが、普通のみかんの様に身はありません。皮の内側には白い綿状の部分しかないのです。その為、食べるとなると、適当な厚さにスライスして、茹でこぼしをしながらアクと苦みをとり、シロップで煮た後、砂糖漬けにして、コンフィチュールやマーマレードにするようです。

 ひとまず御供えしましたが、日持ちすれば正月飾りのダイダイの代わりにできないかなと考えています。今日も楽しい一日を。