たくあん

たくあん

 快晴の京都東山です。さて今日は、江戸時代の臨済宗の僧・沢庵宗彭の天保2(1646)年の忌日です。一般的に沢庵漬けを考案した方として有名ですね。沢庵が創建した東海寺では「初めは名も無い漬物であったが、ある時、徳川家光がここを訪れた際に供したところ、たいそう気に入られ、『名前がないのであれば、沢庵漬けと呼ぶべし』と言われた」と伝えられているそうです。
 ところが、比叡山では元三大師さまが平安時代に考案したとされているのですよ。これは、「定心房」と呼ばれる丸干しした大根を塩と藁で重ね漬けにしたもので、現在「定心房たくあん」として販売されています。たくあんについては、諸説あるようです。

 たくあんといえば、修行での洗鉢を思い出します。もちろん、毎日精進料理を頂くのですが、口をつけてよい食器はひとつだけという決まりがあります。味噌汁のお椀だけです。お茶も出ますが、それは食べ終わった後に、各食器に注いで、箸を使ってたくあんでこするようにして各食器を洗います。そして、それぞれの器を洗い終えるとその洗い汁を味噌汁のお椀に入れて飲み干すのです。これで、料理の出汁、おかゆのねばねばなど、料理を完全に食べることができますし、食器洗いにかかる時間と洗剤、水の量は少なくて済みます。

 一番苦労したのは、精進カレーライスでした。皿は浅く面積は広いし、カレー皿で飲む洗い汁は何とも言えない味でしたよ。今日も楽しい一日を。