金比羅さまご縁日


 概ね晴れ空の京都東山です。さて、今日は金比羅さまの今年最後のご縁日です。雙林寺では金比羅さまをお祀りしてはいませんが、薬師如来さまの眷属である十二神将の筆頭、宮比羅大将さまと同一視されています。
 そもそも金比羅さまは、鰐を神格化したもので、大般若経を守護する十六善神のお一人で、身によろいをまとい、武人のようなお姿をされています。また、お釈迦さまがお修行されたというヒフラ山の守護神でもあったともいわれています。航海の安全など、海の守護神とされ、農村では、五穀豊穣、雨をもたらしてくださる農神さまとしても祀られています。

 「塩尻(江戸中期の国学者天野信景の著した随筆)」に、「霊験有ること、響の如し、国人にことさらなり。四国、九州、是を敬いせずということなし。闇夜船中、海路に迷う時は此の神を念じて其の着岸を祈れば、必ず一団の火現ず。此方に乗行けば、難船ある事なし、また火消ゆるを待ちて碇をおろし、舟をかけ侍るとかや。暴風に船を発せんとする時は、帆柱を献ずべきよし願すとかや」と記されていて、漁民や海運業者が海上安全の航路の神として崇め、新しく造船した船は、金比羅参りと称して、一度は参詣する習慣が伝わっています。

 香川県琴平町には有名な金刀比羅宮があり、金比羅大権現や金比羅さん、さぬきのこんぴらさんと呼ばれていて、多くの人々から信仰を集めていますね。金刀比羅宮の階段は785段。さらに奥社までとなると、1368段もあるそうですよ。今日も楽しい一日を。