縁結びの日

愛染明王(雙林寺蔵)
 どんよりとした曇り空の京都東山です。今日は満月です。しかも今年最も大きく見える「スーパームーン」となります。ちなみに、今年最も小さく見える満月「マイクロムーン」よりも約14%も大きく、最大で30%ほど明るいそうです。このまま曇りだと、京都では見えないかもしれません。仏教では、満月や新月の日は祈願が成就しやすいと説かれています。

 さて、「縁結びの日」だそうです。新暦の11月は、旧暦でいうところの10月にあたり、出雲大社では全国の神さまが集合され、縁結びなどについて会議をされているということと、「いい(11)ご(5)えん」(いいご縁)の語呂合せから島根県にある神話の国・縁結び観光協会によって制定されたとのです。

 ご縁は、自分に関わるあらゆるつながりのことですね。私たちは、自分を楽しませてくれる人・モノ、つまり、自分にとって都合のいい人やモノを「いい人」「いいモノ」として大切にしがちです。しかし、本当に大切にしなければならないものは、私たちの人間性を高めてくれたり、成長させてくれる人やモノだとお釈迦さまは仰せです。

 雙林寺ではご縁の仏さまとして、愛染明王さまがいらっしゃいます。(非公開です)

 愛染明王さまは、戦勝・息災の祈願をするときの本尊とされます。よく時代劇の戦国武将の兜に「愛」と書かれていたりしますよね。また、恋愛成就、男女和合などにご利益があるとされています。また、そのお名前から「愛染=藍染」と解釈されて、染物や織物職人の守護仏としても信仰されています。さらに愛欲を否定しないことから、古くは遊女、現在では水商売に従事する女性の信仰対象にもなっています。

 ということで、普段からのお精進が無駄にならず、良い結果、成果となりますように、自分の力だけではどうにもならない、いいご縁が結ばれますようにお祈り申し上げます。今日も楽しい一日を。