曇り空の京都東山です。今日は「庚申」となります。近くの八坂庚申堂では、こんにゃく炊きが行われます。このお寺は雙林寺から徒歩約10分くらいの八坂の塔の前にあり、平安時代に浄蔵貴所が開いたと伝えられています。庚申尊の霊示によって、三切れのこんにゃくを北に向って無言で食べると、一年無事に過ごせるそうです。

 そして、今日の暦には「菊供養」とあります。浅草寺では「菊供養会(きくくようえ)」が営まれていることと思います。この時期になると、菊花展や菊人形展などがあちこちで開催されますね。

 菊はもともと中国から伝わってきました。交配された栽培菊は、豪華で花持ちが良いので、仏さまにお供えする定番のお花となっています。お墓参りには頻繫に行けませんから、少しでも長く枯れないお花をと思いますし、また、仏壇でも同じく手間のかからないお花というので、菊が選ばれます。それに、菊にはいろいろな種類があって、お供えする場所によって適切な大きさの花を選ぶこともできます。ほかにも、菊の花は天皇家の御紋に使われているところから、仏さまに対して最高のお花をお供えするという意味でも、菊の花が選ばれるようです。ちなみに、花言葉は「高貴」「高潔」だそうです。

 実際のところお供えする花は菊でないといけないという決まりはなく、四季折々のお花をお供えすればよいことになっています。家の近くで綺麗に咲いている花がれば摘んできてお供えすればいいのだと思います。綺麗なお花で、仏さま、ご先祖さまに喜んでいただきましょう。今日も楽しい一日を。