神輿渡御

御神輿
 いいお天気の京都東山です。京都市内には祇園祭の山鉾が立ち並び祭り一色となっていますが、八坂神社本殿前には御神輿が奉安されました。これは、「神輿渡御(みこしとぎょ)」といって、祇園祭の前祭(さきまつり)の山鉾巡行が行われる7月17日の夜に、八坂神社からこの3基のお神輿が精悍な輿丁によって担がれ、四条通の「御旅所」に向かわれます。そして、後祭(あとまつり)の山鉾巡行が行われる24日の夜に再び神社に戻ってこられるという、なかなか見ごたえのある神事です。

 そもそも御神輿を簡単に説明しますと、一時的に神さまがお乗りになる乗りものです。御神輿に乗り、町へ出かけて、私たちに元気や安心を届けてくださったり、魔を追い払ったりしてくださるのです。7月15日20時から宵宮祭が執り行われます。境内の灯が消され、神さまが浄闇の内に御神輿に遷られます。

 三基の御神輿にお乗りになる神さまは、スサノヲノミコトと、クシナダヒメノミコト、ヤハシラノミコガミです。まず、西御座神輿には、スサノオノミコトの子であるヤハシラノミコガミで、屋根は八角形に鳳凰となっています。中御座神輿はスサノオノミコトで、六角形の屋根に鳳凰が設えてあります。重さは約2トンもあるそうで、およそ500人ほどで交代しながら担がれます。スサノオノミコトの妻であるクシナダヒメノミコトは東御座神輿で、屋根は四角で擬宝珠が設えてあります。夜間は照明で照らされていますから、黄金の御神輿が神々しく輝いて眩しく見えますよ。

 神輿渡御は、「ホイットーホイットー」という掛け声が掛けられ、天に向かって神輿を担ぎ上げる「差し上げ」が行われると、拍手が沸き上がるという勇壮で激しいお祭りです。17日の山鉾巡行は午前中に行われますが、その日の夜に御神輿が出ますので、併せて鑑賞されてみてはいかがでしょうか。今日も楽しい一日を。