忍辱(しのぶ)

しょうぐうさん
 雨が降ったりやんだりの京都東山です。今日の気温は雨のおかげで30℃に満たないのですが、かなり蒸し暑く感じます。じっとしているだけでも、汗が出てきます。

 今日は秋分の日で、「秋分に合わせて二分という昼夜相当分する日なり」となります。そして、秋のお彼岸のお中日ですね。特に、太陽が真西に沈む日ですから、西の方角を向いて沈みゆく太陽を見ながら極楽浄土を想ったり、ご先祖さまの成仏などをお祈りされるとよろしいかと思います。雨で太陽は見えないかもしれませんが。

 さて、六波羅蜜の3番目は「忍辱(にんにく)」です。法話にて、「ガーリックのことではありませんよ」と話し始めることは、お坊さんお決まりのフレーズです。

 忍辱とは、じっと耐え忍ぶことです。人生は、諸行無常で、いいときもあれば悪いときもあります。常に毎日が幸せで、何もかもいつまでもうまくいくことはありませんよね。例えば、自分は健康であっても、家族が怪我や病気になってしまったりしますし、仕事もそうです。順調に行くときもあれば、うまく行かなくなるときもあります。人生には浮き沈みが付き物です。その沈んだ時に、自暴自棄などにならず、じっと我慢しよう、耐えよう、好転するまで待とうというのが忍辱です。

 すぐにはよくならないかもしれませんが、短気になって怒鳴ったところでうまくいくことでもないじゃないですか。「怒りの蛇を、口から出すのは下等の人間。歯を食いしばって、口から出さないのが中等。胸に蛇は狂っていても、顔に表さないのが上等の人間である」とかいう言葉があります。

 あとは仏さまにお願いして、うまい具合になるようにお願いすることにしましょう。今日も楽しい一日を。