晴れ空の京都東山です。二十四節気では「処暑(しょしょ)」を迎えました。暑さが落ち着く季節といわれますが、こう暑いと実態とは合わない感じですね。昨日から戸津説法が始まりました。朝から大変蒸し暑い日でしたが、200人近い方が聴聞に来られていました。
さて、京都では、毎年8月22日・23日の両日に、京の都の入口であった旧街道6ヵ所にお祀りされているお地蔵さまを巡拝する「六地蔵巡り」が行われます。総距離は約35kmの巡拝になるそうです。
それぞれのお寺では、色違いの6種類のお幡(はた)が授与され、家の玄関口に吊すと、厄病退散、家内安全、無病息災、福徳招来などのご利益を頂戴できるといわれています。
その6か所のお地蔵さまは、
- 奈良街道-大善寺-伏見六地蔵
- 西国街道-浄禅寺-鳥羽地蔵
- 丹波街道-地蔵寺-桂地蔵
- 周山街道-源光寺-常盤地蔵
- 鞍馬街道-上善寺-鞍馬口地蔵
- 東海道 -徳林庵-山科地蔵
となっています。
この六地蔵巡りは、平安時代前期に活躍した小野篁(おののたかむら)が、地獄で出会ったというお地蔵さまを、桜の大木で刻んで、大善寺にお祀りしたのが始まりだそうです。
ちなみにこの小野篁さんという御仁は、六道珍皇寺の井戸からこの世と地獄とを行き来することができたといわれているすごいお人です。それに、国の参議(役人)で、一説では身長180センチ以上の大男で、スポーツ万能、政務、漢文、和歌、書等の才能もずば抜けて優れていたと言われています。閻魔大王に仕えていたなどどいう逸話も残っているほどのスーパーマンだったそうです。
その後、平清盛が保元年間(1156-1159)に西光法師に命じて、都を往来する旅人たちの道中安全、庶民の疫病退散、福徳招来を願い、それぞれの街道入り口に地蔵堂を建てたことから六地蔵巡りの風習が生まれたといわれています。
それにしても、地獄への行き来はしたくないですけれど、極楽への行き来はしてみたいものですね。今日も楽しい一日を。