撥遣

 

しょうぐうさん
 いいお天気の京都東山です。ぐんぐんと気温が上がって初夏の陽気を感じます。雙林寺界隈は連日、多くの外国人観光客でごった返しています。交通渋滞も慢性的に発生していますので、お越しの際はご注意ください。

 ところで、地蔵盆でお世話になっているお町内から、お地蔵さんの祠を修理するので、撥遣供養(はっけんくよう)をお願いしたいとご依頼がありました。

 撥遣とは、仏像、位牌、仏壇などから、もともと仏さまがおられるところへお戻りいただくことです。一般的に、「魂抜き、お性根抜き」などと呼ばれています。「法性の果位に送り奉り」と表白で読みます。私たちが、家のリフォーム期間中は別の場所で暮らすようなことです。大工さんも私たちがいるのに仕事するわけにもいかないですしね。

 そして、祠が完成したときには、開眼供養(かいげんくよう)です。こちらは「魂入れ」などと呼ばれます。仏像・位牌・仏壇などが新しく完成したときに仏さまをお迎えするわけです。ですから、多くの方々に集まってもらい盛大にお迎えしましょう。今回ならば完成披露ですね。

 これらのお作法は、仏壇の引っ越しや、仏像の修理、墓じまいなどの時にも行う法要です。大切なことは、仏さまは目には見えませんが、お釈迦さまなり、阿弥陀さまなり大いなる仏さまがそこにお越しになり、常におられるということを思って、お参りしたり、失礼がないようにと心がけるべきです。ただし、宗派によっては考え方が違うこともありますので、詳しくはお付き合いのあるご住職にお尋ねください。今日も楽しい一日を。