さくらの日

円山公園 枝垂れ桜
 長雨がようやくあがって、いいお天気となりました京都東山です。今日は「一粒万倍日」と「寅の日」が重なる日です。新しい財布で金運アップかもしれませんよ。

 そして、「さくらの日」です。3×9(さくら)=27の語呂合せと、七十二候のひとつ「桜始開」が重なる時期であることから、1992(平成4)年に日本さくらの会によって制定されたとのことです。桜の開花は、多くの人々の新たな門出や別れや出会いなどの時期とちょうど重なりますから、様々な記憶が鮮やかな思い出として心に残りますよね。

 雙林寺界隈の桜は豊臣秀吉が花見をした場所ということもあって、今でも円山公園の桜は全国的に有名で、多くの方が花見に来られます。なかでも、中央にある枝垂れ桜は、正式名を「一重白彼岸枝垂桜」といいまして、通称は「祇園の夜桜」と呼ばれています。初代の枝垂れ桜は、根回り4メートル、高さ12メートル、樹齢およそ200年であった昭和13年に、天然記念物に指定されましたが、昭和22年に枯死してしまいました。

 そして、現在は2代目枝垂れ桜で、桜守の佐野藤右衛門さんが、昭和3年に初代の枝垂れ桜から種子を採り、畑で育てたものを寄贈されて、昭和24年に植えられたものです。現在、樹高12メートル、幹回り2.8メートル、枝張り10メートルだそうです。また、3代目がお隣で育成中のようですし、初代・枝垂れ桜の孫の桜が、京都府庁旧本館中庭と将軍塚青龍殿庭園にあります。

 ちなみに佐野藤右衛門さんとは、造園業の「植藤」の当主が襲名する庭師の名跡です。現在は16代目の方で、勲五等双光旭日章を受章されたり、京都迎賓館の庭園を棟梁として造成されるなど、世界的にも日本庭園を手掛けておられます。

 ところで、2代目の枝垂れ桜ですが、樹勢が衰え気味ですが、様々な対応、手入れのおかげで復活してきました。我々としてもゴミは持ち帰るようにして、少しでも長く、その美しい姿を保っていてほしいですね。今日も楽しい一日を。

※写真は現在の様子ではありません。