お地蔵さまご縁日

雙林寺 持病平癒地蔵尊
 晴れ空にて気温2℃くらいの寒い京都東山です。さて、今日は今年最後のお地蔵さまのご縁日となります。雙林寺のお地蔵さまは「持病平癒地蔵尊」としてお祀りしています。

 お地蔵さまにまつわるお話はいろいろありますが、「六道輪廻」という言葉をご存知でしょうか。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上という六つの世界を六道といいまして、私たち人間をはじめ、生きとし生けるものが、苦しんだり、悩み続けたりしながら、この六つの世界のどこかに生まれては死んでと、繰り返していることです。

 そして、この輪廻を繰り返している私たちを、お釈迦さまの時代が終わり、次にこの世に現れるとされる弥勒菩薩さまの時代までの実に五十六億七千万年もの長い間、お地蔵さまがお守り救って下さっているのです。「二仏中間(ちゅうげん)の仏」ともいいます。

 また、あちらこちらで、六躰の六地蔵さまをお見かけしますが、六つの違ったお姿で祀られるのも、それぞれのお地蔵さまが、地獄界から天上界までの六つの世界を分担されていることを表わしています。このことから、お地蔵さまのことを「六道能化地蔵菩薩」とも申し上げたりします。

 六道能化とは、六道に迷うものを、よく導き、救って下さるという意味です。六躰それぞれ違ったお姿のお地蔵さまですが、それぞれのお姿を現しているのであって、本来はまったく同じお地蔵さまです。例えますと、私たちが、時と場合にあわせて、服装や持ち物などで、その場その場で努めているのと同じで、服装や持ち物は違っても中身は同じということです。

 お地蔵さんには「賽の河原」や「笠地蔵」のお話や京都では「地蔵盆」もありますし、道祖神的にあちらこちらで見かけることもあり、身近で私たちをお救いくださるありがたくて親しみやすいお姿の仏さまですね。今日も楽しい一日を。