今年の恵方は?

 曇り空の京都東山です。今日は「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日となります。この日に何かを始めるにはよい日と言われていますが、借金をすると、膨れ上がるそうですから、やめておいたほうがよさそうです。

 さて、2月4日は暦の上では立春で、季節は春ということになります。その前日にあたる2月3日、つまり明日は、みなさまもご存知の「節分」です。本来は、立春・立夏・立秋・立冬の前日すべてが「季節を分ける」という意味の「節分」に当たるのですが、現代では特に立春の前日だけを節分と呼んでいますね。

 節分といえば、豆まきかもしれませんが、私は「恵方巻(えほうまき)」ですね。恵方巻とは、節分に恵方を向いて無言で食べると良いとされる巻き寿司のことです。もともと大阪の商店から始まったとかいわれていますが、はっきりとせず、デパートなどの商戦によって1998年ごろから全国的に行われるようになった比較的新しい風習だそうです。

 それで、今年の恵方は?と申しますと、「丙(ひのえ)」となっていますので、「南南東」を向いて恵方巻を食べましょう。食べ方のルールは次の3つです。

  1. 歳徳神さまがおられる恵方を向いて食べること!
  2. 黙って、神さまに集中して食べること!
  3. 無心で一気に食べること!(願い事をするという説も)

どうぞ、この3つのルールでもって召し上がって下さい。

 恵方とは、歳徳神(としとくじん)という神さまがおられる方角を指します。毎年その場所は変わりますから今年の恵方は?と確認が必要になるわけです。歳徳神は、その年の幸福と財産を司る神さまで、何事もこの方角に向かって行うことは大吉だとされています。俗に「あきの方」とも言います。昔は、初詣も恵方の方向にある神社へ参ったり、初めての事を行うときは恵方を大切にしていたそうです。

 歳徳神さまの由来には諸説ありますが、牛頭天王のお后である頗梨采天女だとも櫛稲田姫だとも言われており、牛頭天王と波利采天女の間に生まれた「八王子」は「八将軍」とも称しまして、方位を司る重要な神さまとなられています。また、牛頭天王は須佐之男尊と習合しましたから、八坂神社の御祭神となっておられていますね。今日も楽しい一日を。