日数心経

 

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。今日は節分ですね。奇しくも二十八宿では「鬼」ですが、この日は大吉日にて万事何事にも良ろしとなります。

 さて、季節が移り変わるときや旧年から新年になる節分には邪気や魔が入ると考えられていました。自然災害、病気などは、この邪気が引き起こすものとされていました。その邪気を鬼に見立てて追い払う儀式として豆まきが行われるようになったようです。

 節分に多くのお寺で行われるのは「日数心経」です。般若心経を1年の日数分、つまり365回読んで、向こう1年の除災招福を祈る法会です。しかし、1人で唱えるとなるとたいへんなので、、複数のお坊さんが交代で読まれるところもありますし、たくさんの檀信徒さんが集まって、例えば365人集まれば、1回で済ませるという効率化を図るところもあります。ちなみに、大般若転読というお勤めも、お経本を上からパラパラと落とすようにめくるお作法で600巻お経を読んだことにしたりしますね。

「般若心経」の正式名称は「摩訶般若波羅蜜多心経」です。略して「心経」と普段呼んでいます。摩訶とは、「偉大なる」で、般若は「智慧」、波羅蜜多は「向こう岸に渡る」という意味です。つまり、「彼岸に渡るための偉大な智慧」のことで、大切なお経だから「心経」なのです。心臓の「心」、中心の「心」なのですね。宗派によっては読まないところもあるようですが、天台宗では、祈祷をする時など、普段からよく読むお経のひとつです。

 ということで、みなさまに福が訪れますように。「鬼は~外、福は~内」今日も楽しい一日を。