春一番

 いいお天気の京都東山です。今日は「一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日となります。開運日だと思っていましたところ、暦をよく読みますと、「陰徳を積み慈悲を施し、善事を行う日」とも書いてありました。種を大切に育てるように、つまり、「積善の家に余慶あり」ということを認識する日でもありました。

 ところで、「宮崎地方気象台は10日、本県を含む九州南部・奄美地方で、全国に先駆けて春一番が吹いた」と、ネットニュースにありました。「春一番」は、立春後初めて吹く南寄りの強い風のことですね。地方ごとに多少違いがあるそうですが、気象庁の定義としては、

  1. 立春から春分までの間であること
  2. 日本海に低気圧があること
  3. 強い南寄りの風(風向は東南東から西南西まで、風速 8m/s以上)が吹くこと
  4. 気温が上昇すること

となっているようです。風速8.0m/sというと、時速に換算すると28.8km/hです。つまり、原付バイクくらいのスピードです。干してある洗濯物は飛んでいきそうですよ。

 長崎県の壱岐島「郷ノ浦港フェリーターミナル」近くには、「春一番発祥の地」があります。地元の漁民たちは、春先に吹く南方からの暴風を「春一番」「春一」「カラシバナオトシ」と呼んでいたそうです。民俗学者の宮本常一氏が研究のためにこの郷ノ浦町を訪れたことをきっかけに、「春一番」をいう言葉を、俳句歳時記で紹介したところ、新聞などで取り上げられ一般にひろまったのだそうです。

 また、この春風は1番から3番まであるそうです。どれが何番なのかは、さっぱりわかりませんけれども、強い風は春の訪れを教えてくれますね。今日も楽しい一日を。