おそうじ

 いいお天気の京都東山です。もみじもそろそろお終わりを迎え、たいへんな量の落ち葉掃除です。併せてそろそろ年末年始の準備に年賀状、お寺の新聞づくりと、せわしなくなってきました。

 ところで、仏教では、掃除をとても大切な事とします。それは、身の回りをきれいにすることで心も磨かれて、悟りをひらけるとされているからです。これはパンタカ兄弟のお話に由来するところです。掃除は誰かにしてもらうものではなく、また、周囲をきれいにするだけでもなく、自分の為に自ら汗を流して行うことも大切です。

 よく言われるのは、どんなお稽古事も、まず道場の清掃から始めるのは、稽古事は全て、お稽古が目的ではなく、心を磨く手段なのだと。ですから、まず道場の掃除をして心を清めるのだと。ハウスクリーニングの業者に依頼すれば確かに家はきれいになるでしょうけれども、住む人の心の中までは掃除屋さんも手が届きませんから、心は汚れたままといえそうです。

 掃除を通して、「除くべき塵や垢というのは自分自身の煩悩(貪瞋痴(とんじんち))である」という真実に気付きたいものですね。掃除は、身近な仏道修行の手段です。 修行は自分がするのであって、代わりに誰かにやってもらうことができません。どうぞ、心をこめてきれいにいたしましょう。今日も楽しい一日を。