納め大師

 曇り空の京都東山です。毎日寒いの連発です。今日は、「納め大師」です。弘法大師さまの忌日が3月21日であることから、毎月21日はお大師さまのご縁日となっています。

 弘法大師さまはご存じの通り、伝教大師さまと並んで平安時代初期の偉大なお坊さんです。密教を学ぶために唐へ渡り、帰国後は真言宗を開かれました。仏教を弘めることに力を尽くされ、数知れない功績を残されました。我が国最初の民衆のための教育機関「綜芸種智院」の建立や「満濃池」の修築など教育普及や社会的事業にもご尽力されたことは有名です。そうそう、うどんを伝えられたのも弘法大師さまだと言われていますね。

 特に、42歳の時、人々に災難が及ばないようにと四国の色々なところに霊場を作られたのが四国霊場で、後に弟子たちがその遺跡を巡ったのが、四国八十八ヶ所霊場巡りの始まりと言われており、現在も多くの方々が巡礼されています。

 ところで、雙林寺は天台宗なので、弘法大師さまとは直接関係はないのですが、何故か、お大師さまのお像が祀られています。由緒はわからないのですが、「肉身昇天堯運弘法大師略歴」なる文書や「大師講」と記された灯篭が残っていますから、恐らくこの堯運というお方を中心とした講が、雙林寺で活動されていた時代があったのでしょうね。宗派は違っても、祈る心は同じですよね。 南無大師遍照金剛 今日も楽しい一日を。