香りの記念日

香炉
 雲が多少多いものの概ね晴れの京都東山です。今日は、「香りの記念日」だそうです。1992年10月30日に石川県七尾市で国民文化祭「世界香りのフェアIN能登」が開催されたことに由来し、石川県七尾市が制定したとのことです。

 香りといえば、法華経法師品に香を御供えすることが説かれており、仏教では欠かせないもののひとつです。一般的に寺では、白檀、沈香、伽羅などのお香を焚いています。線香、抹香、塗香、焼香といろいろなお香を使用して香りを出します。そうしますと、煙がモクモクと雲のようにたなびき、私たちの煩悩を消し去り心を清浄にします。そして、悪魔を退散させて道場も清浄にします。さらに、仏さまやご先祖さまに香りが行き届いて楽しんでいただけます。

 もちろん、お香はお寺だけで焚くものではないので、ご家庭でもお香を焚かれますと気持ちが落ち着いたり、部屋の空間がいつもと違う風景に見えたりと結構楽しいものです。お香屋さんへ行きますと、フローラルにハーブなどいろいろな種類の香りがありますから、部屋ごとに違うお香を焚いてみるのも楽しいかもしれません。我が家では、書斎や書院でお香を焚きますし、箪笥には防虫香を入れていますし、におい袋はカバンに入れたり、クルマの車内にぶら下げるなどといろいろ楽しんでいます。どことなく雅な気分にもなれたりしますので、お試しになられてはいかがでしょうか。

~そらだきもの いと心にくく薫り出で 名香の香など匂ひみちたるに 君の御追風いとことなれば 内の人びとも心づかひすべかめり~

今日も楽しい一日を。