禅鎮とは?


 今朝はよく晴れている京都です。今日も円山音楽堂では音楽会が開催されるようです。
 ところで、お仏壇の場合、御本尊とされる仏像が中央最高檀に祀られていると思います。尊像は、木や金属等で彫刻された彫像と、絹や紙に書かれた画像とがあります。勿論どちらでもよいのですが、お掃除などの後、仏像のお顔が微妙に正面でなかったり、中央より左右どちらかに偏ったりしがちですので、注意が必要です。もし床の間に祀られる場合は、その中央にお掛けするようにします。

 そして、天台宗の宗徒ならご本尊の左右に天台大師像と伝教大師像の二幅対をお掛けします。天台大師さまは、中国が陳・隋の頃に逝江省の天台山に住し、中国天台宗を大成された高僧で、大偉人です。日本仏教にも大きく影響を及ぼされた大祖師さまです。伝教大師さまは深く天台大師の教えに心服され、これを日本に弘められました。したがって、私ども日本の天台宗では、天台大師さまを高祖と尊称し、伝教大師さまを宗祖と申し上げます。

 ちなみに、両大師の御像はお姿が非常によく似ておられますが、注意して拝みますと、頭の上に丸い置物が置いてある御像があります。この丸いものは「禅鎮」といいまして、昔、座禅の時に頭に載せたものだそうで、これがあるお方が高祖天台大師さまで、無い方が宗祖伝教大師さまです。

 御本尊の左右どちらにどのお像をお掛けするのかと言いますと、古来より「仏界では右を上首とし、衆生界では左を上首にする」という習わしがありますので、この場合は仏界に順じて、向かって御本尊の右に伝教大師像、左に天台大師像をお掛けすることになります。

 このように、我々天台宗宗徒は、仏さまと同じようにこの両大師も尊びあがめ、心から敬うべきだと思います。 南無宗祖根本伝教大師福聚金剛 今日も楽しい一日を。

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