御本尊がいっぱい

 寺院にはいろいろな仏像が御本尊として祀られてありますが、どの仏さまを御本尊にするのかは各宗旨によって異なります。

 私ども天台宗の御本尊はと言いますと、「久遠実成無作の本仏をもって本体とする。諸仏は前項の本仏と一体無二であり、諸尊はことごとくその随縁応現の身であるから、ひとしくこれを尊信する」と宗憲に明記されています。

 つまり、大いなる仏さまが私たちの前に様々な御姿で現れておられると考えるのです。したがって、天台宗の御本尊は、お釈迦さまでもお薬師さまでも阿弥陀さまでも観音さまでもお地蔵さまでもお不動さまでも・・・何でもよいことになっています。仏さまが変身されるのですよ。あるときはお薬師さま、またあるときは阿弥陀さまみたいなことなのですから、どの仏さまをご本尊にしてもよいですし、お参りしてもよいのです。これは天台宗の偉大な特長だと思います。

 そうなるとどの仏さまを拝めばよいのかということになります。例えば、お付き合いのあるお寺の御本尊でもいいですし、好きな仏さまを見つけてご縁を深めるのもいいですし。むずかしく考えても決められないので、私は、健康になりたいならお薬師さん、悪さしないように怖い顔で叱ってくれるお不動さん、美しくなりたいなら観音さんをなどとお話しています。とにかく、仏さまを信じて、「明るく正しく仲良く暮らす」ことが大切ですね。

 今日は、円山音楽堂で音楽会が開催されていますが、今日も楽しい一日を。