十一面観音さまのご縁日

 晴れ空の京都東山です。今年9月~10月にかけて国勢調査が行われるのですが、国勢調査員をやってくれと依頼がありました。必要書類を書いているのですが、証明写真を用意する必要があり、ちょっと手間だなあと思っているところです。

 さて、今日は十一面観音さまのご縁日となります。十一面観音さまは、そのお名前の通り、頭に11のお顔があります。

 まず、正面には菩薩面と呼ばれるお顔が三つあります。これは、一番上にある如来のお心を私たちに対して優しくお説法をしてくださっているお顔です。

 そして左側には怒っておられるようなお顔がありますが、牙は出ていなくて、実は唇をかみしめて泣いておられます。瞋目面(しんもくめん)といいます。正面の菩薩さまが一所懸命お説法されていても、聞いている私たちがなんのことかわからないとか、お説法を聞かずにざわざわと話をしたり、そしらぬ顔をしているとき、そういうなかなかわかろうとしない人たちを可哀そうだと思って、泣きながらお説法しておられるお顔です。

 また、右側には牙を出しているお顔が3つあります。こちらも瞋目面なのですが、牙が出ているので、こちらは本当に怒っておられるお顔です。説法をしているときに邪魔をしてくる魔物たちに対して、怒って追い払おうとされているのです。

 そして、正面からは見えないのですが、後ろには口を大きく開けて大笑いされている「大笑面」のお顔があります。これはいわば三千大千世界を大笑されているお顔です。観音さまはこの場所でお説法されて、また次のところに行かれてお説法されるのですが、立ち去って行かれるその後ろ姿をありがたいといって拝んでいる人もいますし、お説法を聴いてもなんかつまらんかったとか、よくわからんかったとか言ってる人たちなど、いろいろな人がいます。そういう私たちをご覧になって、観音さまは「そうか、そうか」と大笑いして、「また来るよ」といわれているのです。そんな感じだと思います。雙林寺には十一面観音像はございませんが、聖天さまの浴油祈祷と併せて十一面観音護摩にて祈祷させていただいております。今日も楽しい一日を。