不動明王像(雙林寺蔵) |
不動明王さまは、日本で盛んに信仰され、「お不動さま」と親しまれ信仰されています。お不動さまは忿怒の相で厳かに盤石の上におられ、一切の人々を救い切るまではここを動かないという不動のお姿をされています。
右手には三鈷剣をお持ちになり、悪魔を退散させると同時に私たちの煩悩を断ち切って下さいます。その剣には倶利迦羅龍が巻き付いています。左手には羂索という縄をお持ちで、悪魔を縛り上げ、また、煩悩から抜け出せない人々をひっぱり救い出してくださいます。
御目は天地眼といって、右目は天を、左目は地をそれぞれ睨んでおられ、眼球の両側は忿怒による充血で、目頭と目尻を赤くされています。また、御口は右上唇を噛んで牙を上方に出し、左下唇からは牙を下方に向けて出しておられます。これらの特徴は、9世紀末に天台宗の安然によって著された「不動明王の十九観」に基づいています。
このように怖いお姿で、悪魔を降伏させ、すべての障害を打ち砕き、素直に仏道に従わないものを導き救われます。また、大日如来の化身とされ、お不動さまを拝むことで、自分は宇宙の中に存在しているということに気づきます。それと同時に、大いなる仏さまのお力によって生かされていることにも気づけます。このことは、人間は宇宙のなかでは、ちっぽけな存在なので、自然に逆らっては生きていけないというとわかりやすいでしょうか。 なま さまんだ ばさらなん せんだ まかろしゃな そわたや うんたらた かんまん 今日も楽しい一日を。