指パッチン

 

しょうぐうさん
 いいお天気の京都東山です。今日も寒いです。ところで、小さいお子さんのおられるお宅へお参りに行くこともしばしばあります。お坊さんの作法は興味深いようで、いろいろ観察されます。「どうして、歌ってるの?」いえ、これは、「声明」といいまして、お経やご真言に旋律抑揚を付けて唱える仏教声楽曲なんです。読経作法として、始めに「三礼、如来唄」をお唱えすることになっているのですよ。

 「どうして、指パッチンしているの」いえ、これは「弾指」というお作法です。悪魔を追い払らって、正しい道へと導きます。鳴らないと効果がないので、修行で教わったときには、誰もが一日中練習をしたものです。あちこちで、パチンパチン。いわゆる指パッチンは、親指と中指を合わせて、そこから中指を親指の付け根に当てるように滑らせるようにして音を出しますが、弾指は、親指と人差し指を使って音を出す作法です。弾く向きで、ドアのノックになったり、仏さまにお帰り頂く合図になったりするのですよ。

 併せて、密教では印を結びますので、指は大切にしないといけないとも習います。もし指を無くしてしまいますとどうしようもありません。もう引退せざるを得ないのです。それくらい、印、真言はとても大切に受け継がれています。ですので、しっかりと修法するように心がけています。今日も楽しい一日を。