聖天さまご縁日

 どんよりとした曇り空の京都東山です。今日は満月です。満月、あるいは新月の日は願い事が叶いやすいと言われています。そして、聖天さまのご縁日と重なります。

 聖天さまは幸運、福徳を授けてくださる仏さまです。一心におすがりすれば、必ずどんな願いでも叶えてくださると言う御利益がある霊験あらたかなお方です。商売繁盛、縁結びを願われる人は特に信仰されるようお勧めします。

 信仰ということは誰でもできるものです。決して堅苦しいものでもなければ難しいことでもありません。仕事しながらでも立派に信仰することは出来ます。生活難を切り抜けるにはどうしたらよいのか、いろんな悩みをどう解決すればよいのかなどと言うことは誰もが持っている問題です。この大問題は信心と言う鍵によって自ずから解決されると思います。信仰生活をしている人には何時とはなしに信念ができ、潤いが生じ、落ち着いてくると思います。

 忙しくて到底お作法通りにお祈りが出来ない時は、いつでもよいし、どんな所ででもよいので、唯、合掌して一心に御真言(おんきりぎゃくうんそわか)とお唱えすればそれで事は足ります。要はお祈りする人の気持ちが大切なのです。真心を込めて真剣にお祈り下さい。出来ることなら聖天さまの御縁日である毎月1日と16日の2日間はあらかじめスケジュール調整して聖天堂にお参りするようにしましょう。お参りしている間は雑念を起こさないようにします。どうしても心が静まらない時は、自分の呼吸を1から10まで数えて又、1から10までと言う風に繰り返してみてください。

 お経を読む時の声は高からず低からず、緩ならず急ならず、雨垂れが等しく規則正しくポタンポタンと落ちるように、そして、自分の耳に声が聞こえてくるくらいがよいです。歓喜に充ちた愉快な気持ちで読みましょう。

 聖天さまへの御供物としては、燈明、線香、お茶、お水、花、ご飯または洗米、大根、歓喜団、果物などで、梨、柑子、みかん、蓮根、茸類、辛い物、酸い物はお供えしない方が良ろしいです。また、お花はスーパーなどで販売されている仏花で差支えありません。樒でも代用可能です。但し、薔薇、つつじ、ぼけ、あざみ、棘ある植物はお供えしないことになっています。

 聖天さまがわたしたちに望むことは、決して悪を行わず善を実践することです。願いが叶えば、御礼の御祈祷を必ず頼んで感謝を申し上げ、すすんで世のため人のためにご奉仕しましょう。今日も楽しい一日を。