回向文

 

しょうぐうさん
 昨夜から雨が降り続く京都東山です。今日は大安ですから、万事進んでよしとなります。いいことあるかもしれませんね。

 さて、こちらの言葉をご存知でしょうか。

願以此功徳(がんにしくどく)

普及於一切(ふぎゅうおいっさい)

我等與衆生(がとうよしゅじょう)

皆共成仏道(かいぐじょうぶつどう)

 または、願わくはこの功徳をもって、普ねく一切に及ぼし、われらと衆生と、皆共に仏道を成ぜんことを。

 この言葉は、法華経の化城喩品(けじょうゆほん)というところに出てきまして、一般に回向文(えこうもん)と呼ばれています。お勤めなどで、お経を読んだあとに必ず唱えることになっています。私は漢文読みよりも、読み下す方がピンとくる印象を受けます。

 どういう意味かといいますと、お経を読んだり、法事を営んだりしてして得られた功徳を、自分だけのものとして独り占めせずに、ひろく一切の万物に行きわたらせて、私と他の多くの人々とが、ともどもにひとしく仏の道を成就できるよう願ってやみませんというようなことになります。

 私たちは毎日暮らすことで修行をしています。お互いが楽しく暮らせるように心がけることによって、悟りに近づけるように思います。短い回向文ですが、功徳をめぐらすということを考えてみたいですね。今日も楽しい一日を。