さて、今日は弘法大師のお誕生日となります。弘法大師さまは香川県でお生まれになったと伝わります。善通寺の御影堂は弘法大師さまがお生まれになった佐伯家の邸宅跡に建てられた堂宇で、奥殿はお母上の玉寄御前のお部屋があったとされる場所です。
有名な言葉に「弘法筆を選ばず」があります。弘法大師のように書に優れている者なら筆の善し悪しは関係ないという意味ですが、一般化して、技量が優れていれば道具に左右されず仕事ができるとか、達人の域に達すれば、どのような状況でも失敗はしないとか、そこから転じて、自分の技量の不足を道具のせいにしてはならないとか、失敗を周りの環境のせいにしてはならないなどと戒めの言葉となっていますね。
その反面、「弘法にも筆の誤り」という言葉もあります。書に優れている弘法大師であっても字を間違えることもあるということです。ですから、たとえその道の達人、名人と呼ばれるような人であっても、失敗をすることはあるのだという意味となっています。つまり、失敗しながらも精進して、達人や名人になりなさいということなのでしょう。
弘法大師さまと伝教大師さまとは何かと比較されがちですが、宗派は違えども、私たち衆生を救いたいと強く願われた心は同じですよね。南無大師遍照金剛 今日も楽しい一日を。
