衣更え

 晴れ空の京都東山です。6月になりました。今年も、半分折り返しです。暦には、衣更えとあります。天台宗では、夏服は、6月1日から10月14日まで、冬服は、10月15日から5月末日となっています(本山は少し違います)。一般的には、10月も1日からだと思いますが、天台宗は少しずれています。ということで、今日から法衣は透け透けの紗とか絽といわれる生地になります。

 この衣更えにも由来がありました。もともとは中国の宮廷で、旧暦の4月1日と10月1日に夏服と冬服を入れ替えていたことから始まった習慣なのだそうです。日本へは、平安時代頃に伝わり、室町時代から江戸時代にかけて、四季に合わせて式服を替える習慣へと定着していったとのことです。

 とはいうものの、暑く感じたり寒く感じる日もありますので、何が何でもこの期間は夏服で、とか、冬服で、というわけにもいきませんから適切に着用するのはいうまでもありません。

 ただし、その時の季節感は大切にする必要はありそうです。たとえば、これからの季節なら、青色や白いもので、涼しげな夏の絵柄を着ます。秋になると、茶色や黒など濃い色の服を着る方が周りの雰囲気に馴染みます。「夏らしくてよい」とか「春っぽくてよい」と言われるのはいいのですが、その季節に合わない服装だと「暑苦しい」とか「寒そうに見える」などと言われますから、服装には気を付けたいですね。

 しかし、法衣は折り目が多くて衣更えは結構手間がかかります。そろそろ、法衣専門店から洗濯ありませんかと電話が鳴りそうです。今日も楽しい一日を。