数珠を擦ること

 いいお天気の京都東山です。なのですが、上空に強い寒気を伴った気圧の谷が日本を通過するらしく、寒くて暖房を点けていますよ。今日は大安となります。「吉日にて万事進んでよし」です。

 さて、「数珠の擦り方を教えてください」と尋ねられたのですが、これを文字で説明するのはちょっと難しいので、お寺で教わっていただければと思います。

 本来は、数珠は「擦る」ためのものではなく、念仏や真言を何回唱えたかを数える法具です。しかし、数珠は百八煩悩を象徴するものでもあって、私たちはこの百八の煩悩に気づいて、またそれを無くすことによって、悟りに近づくことができるということになっています。ですから、念仏や真言を唱えることでも、煩悩を払い、心身を清浄にする功徳を積みます。

 そして、念仏や真言を唱えた後に数珠を擦って音を出すことで、煩悩の塵を払い除けたぞという意味をもたせたのだと、何かに書いてありました。だからと言って、むやみやたらに擦るものではないですし、擦ったところで、煩悩が消えるわけでもありません。ましてや、数珠の痛みが激しくなる可能性もありますから、お勤めのはじめと終わりに軽く少し擦る程度で結構かと思います。今日も楽しい一日を。