春のお彼岸

 快晴の京都東山です。気温も20℃くらいまで上がるそうですよ。今日は、お聖天さまのご縁日となります。昨日お団を買いに行ったら、売り切れでしたので、昼からまた行きます。

 さて、明日、3月17日から23日まで春のお彼岸となります。お仏壇のおそうじに、お墓参りなどご準備はいかがでしょうか。

 「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、春と秋にはお彼岸があり、それを節目に季節の変わり目を迎えます。春秋の彼岸は、それぞれ春分の日と秋分の日をはさんでの一週間を指します。どの家庭でも、この期間にはご先祖様のお墓参りに行かれると思いますが、本来の彼岸の意味とは少し違うようです。

 彼岸は梵語の「パーラミター」に由来し、「到彼岸」すなわち彼岸に到るという意味で、お悟りを得た状態のことを言います。仏教の教えに「六波羅密」というものがあります。これは「布施」(施しをする)・「持戒」(戒律を守る)・「忍辱」(苦難に耐え忍ぶ)・「精進」(たゆまず仏道を実践する)・禅定(瞑想により精神を統一する)・「智慧」(真理を見究める智慧)の六種の行を実践することです。普段から雑務に追われ、なかなか仏さまの教えを実践できない私たちですが、せめてこの一週間は、六波羅蜜の中の一つでも実践し、仏さまのおさとりに近づくよう努力したいものです。

 また、この時期は太陽がちょうど真西に沈むので、「観無量寿経」というお経には、沈みゆく太陽を拝み、その方角にある西方極楽浄土を想いなさいと説かれています。お彼岸にお墓参りに行く習慣は、日本人の祖先崇拝と西方極楽浄土の思想が結びついて出来上がっていったものです。お墓参りをして、ご先祖様に日頃の感謝を申し上げると同時に、先ほどの六波羅蜜にも意識を向け実践していきましょう。今日も楽しい一日を。