コト八日

 いいお天気の京都東山です。今日は、「吉日にて万事進んでよし」の大安となります。いいことあるかもしれませんね。

 さて、昨日は「コト八日」と呼ばれる日でした。他にも事始めとか、呼び方は様々あるようです。現在は、一週間が過ぎると日曜日がやってきて一般的に休みとなりますが、陰暦のときは、新月と満月の日を休みとしていたそうで、行事はさらに半分にして、8日や23日にお祭りや講を行なっていたようです。たとえば、薬師如来縁日や、地蔵菩薩縁日などがそれにあたります。とくに2月8日と12月8日は、コト八日といって、この日には化け物が現れるとされていたそうです。関東ではこの日、一つ目のお化けが出没するのだそうです。

 ところで、一つ目のお化けというと、比叡山根本中堂近くにある総持坊を思い出します。この建物内には、一つ目のお化けの絵が掲げられているのです。

 これは、修行三昧であった慈忍和尚が変身されたお姿で、亡くなってからもことのほか戒律に厳しく、一つ目で一本足の妖怪と姿を変えて、『山僧よ、僧の本分を忘るるなかれ』と夜な夜な破戒僧を見つけては鉦を叩いて脅しつけ、山から下りないようにさせていたという伝説があります。つまり里へ酒を買いに行こうなどとする不心得な僧たちを、こらしめたというのです。建物の中には入れませんけれども、玄関先から拝めるかもしれません。今日も楽しい一日を。