もともと猫は、 仏教ではあまり歓迎されない動物でした。猫のことを良く書いてある仏典は皆無に等しく、むしろ、「悪いことをすると猫に生まれ変わる」というようなことが記されているものがほとんどなのだそうです。涅槃図に描かれていないことは有名ですね。ところが、大事なお経典を守ってくれたのも、猫でした。遣唐使船にはネズミが隠れていて、大切なお経典などをネズミの被害から守るために猫が乗せらていたのです。
今となってはネズミ捕りの任務はほとんどなくなりましたが、化け猫に招き猫、ネズミ除けの神さまと様々な扱いをされる猫です。猫はとにかくかわいいですし、和やかな雰囲気にしてくれますよね。
寺にいるノラ猫はいつも寝てますけど、いつの間にかファンの方ができ、最近ではキャットフードを持ってきてくださったり、SNSで紹介されたり、「この猫に会いたくてやって来ました」などと言われる方も現れてきました。ただし、いつも本堂前にいるとは限らないので、「この猫に会えると何かよいことがある」「猫を見ることができて縁起がいい」などと幸せを運んでくる猫なのかもしれません??
それにしても、猫の助けも得て仏教が伝来したのなら、この猫もその子孫なのでしょうか。あらゆる生き物に感謝を。今日も楽しい一日を。