お不動さん縁日

不動明王(雙林寺蔵)
 蒸し暑く曇り空の京都東山です。今日は、七十二候の「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」となります。春分前にあった「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」と対になっているのはみなさまご存知の通りです。戸を開いた様々な虫たちが樹木の隙間や穴の中に入って冬支度を始めるということですね。そろそろ私たちも衣替えですが、現実にはまだまだ暑いです。

 さて、毎月28日は不動明王さまのご縁日です。正五九参りへは行かれていますでしょうか。

 お不動さまはご存知の通り、忿怒の相で厳かに盤石の上におられ、一切の人々を救い切るまではここを動かないという不動のお姿です。右手には三鈷剣をお持ちになり、魔を退散させると同時に私たちの煩悩を断ち切って下さいます。その剣には倶利迦羅龍が巻き付いています。左手には羂索という縄をお持ちで、悪を縛り上げ、また、煩悩から抜け出せない人々をひっぱり出してお救いくださいます。

 御目は天地眼といって、右目は天を、左目は地をそれぞれ睨んでおられ、眼球の両側は忿怒による充血で、目頭と目尻を赤くされています。また、御口は右上唇を噛んで牙を上方に出し、左下唇からは牙を下方に向けて出しておられます。

 この怖いお姿で、悪魔を降伏させ、すべての障害を打ち砕き、素直に仏道に従わないものを導き救われます。特に日本では盛んに「お不動さん」として親しまれ信仰されていますね。今日も楽しい一日を。