桜始開

 

雙林寺
 朝から雨模様の京都東山です。さて、雙林寺界隈の桜は見頃で、円山公園では枝垂桜のライトアップが始まりました。もし、お花見に来られるのであれば、四条通に東大路通は、慢性的な交通渋滞になりますし、市バスは一度に乗り切れない可能性もありますから、地下鉄東西線「東山駅」や京阪電車「祇園四条駅」阪急電鉄「京都河原町駅」を利用する計画を立てられることをオススメします。

 ところで、七十二候では、「桜始開(さくらはじめてひらく)」となりました。日本人は野球と同じように、お花見が好きですね。桜の花を見るために、インターネットを駆使して、いわゆる穴場を探し出して、あちこち出かけます。昔から日本人にとって「花」といえば桜の花で、特別な花のように思います。

 お花見は、古くは平安時代の貴族が桜を見ながら歌を詠んだり、蹴鞠をした行事が始まりで、次第に農民の間でその年の豊作を願って桜の下で宴会をするようになったといわれています。庶民がお花見を楽しむようになったのは江戸時代の寛文年間のころからだそうで、当時は寺社の境内に咲く桜の観賞でした。享保年間には八代将軍吉宗が、飛鳥山や隅田川堤、小金井堤などに数千本の桜を植えて庶民のお花見を奨励したそうです。このころから庶民は咲き誇る桜を見に繰り出し、桜の下でお弁当を食べながらお花見を楽むようになったということです。

 桜は見るだけでなく、桜茶としても楽しめますね。桜茶は、桜の花を梅酢と塩で漬けたものにお湯を注いだ飲み物のことで、桜紅茶のことではありません。お湯の中で、水中花のように花開いている桜は美しく、見た目にも春らしく楽しむことができます。お祝いの席などで出されたりしますよね。

 ということで、私は桜茶に桜餅、茶団子で、本堂から花見をすることにします。豊臣秀吉もこのあたりで花見をしたそうですよ。今日も楽しい一日を。