花びら餅

幸楽屋製「花びら餅」
 今朝は曇り空の京都東山です。残雪は氷のようになって、日当たりが悪いところには今も残っていて、寒い日が続いています。そして、今日は大安のお日柄の良い日となっています。

 ところで、「花びら餅」をご存知でしょうか。ごぼうと白味噌餡とピンク色の餅を、薄いお餅もしくは求肥で包んだ和菓子のことです。京都のお菓子なのか、他府県の知り合いに聞いても知らない人が多いように思います。

 花びら餅の特徴は、何といっても「ごぼう」が入っているところです。和菓子にごぼうとは何ともミスマッチな感じがするのですが、甘くやわらかく煮てあるごぼうと白味噌餡の甘さが相まって、とても美味しいお菓子なのです。

 調べてみますといわれは古く、平安時代に宮中で行っていた新年行事「歯固めの儀」で、餅の上に赤い菱餅を敷き、その上に猪肉や大根、鮎の塩漬け、瓜などをのせて食べていたものが、だんだんと簡略化されて、餅の中に食品を包んだ「包み雑煮」となり、さらには、お雑煮は餅と味噌餡でかたどったものに、鮎がごぼうとなって、花びら餅の原型になったのだそうです。なんと、お雑煮を表している和菓子だったのですね。京都の和菓子店ではそれぞれに工夫をこらし、特徴のある花びら餅が販売されています。

 お正月の余韻に浸りつつ、ごぼうをしっかり噛んで歯を鍛えて、この花びら餅をいただくことにしますか。今日も楽しい一日を。