成道の日

 朝からいいお天気の京都東山です。寒いです。今日は満月にて薬師さまの今年最後のご縁日となりますので、お参りに行かれてはいかがでしょうか。さらに、お釈迦さまが悟りを開かれた日「成道の日」でもあります。全国の寺院で成道会が営まれます。

 お釈迦さまは、世の中すべての人が幸せになるにはどうしたらよいのかを追求しようと出家され修行を始められました。いろいろと苦行もされましたが、いつまでたっても悟れませんでした。もしかすると、この方法では無理なのかもと思われて、一旦、苦行をお止めになります。私たちも「根を詰めすぎてはダメよ」みたいなことを言われたことがありませんか。もしかしたら、やり方がまちがっているのかもしれないと、視点を変えられたわけですね。

 そこにスジャータという娘さんが来られて、乳粥をお釈迦さまに捧げました。お釈迦さまはそれを召し上がって、苦行や断食で弱った体を回復され、アシヴァッタという大きな木の下で改めて心静かに座禅を始められました。そして翌朝、暁の明星が輝いた瞬間に、お釈迦さまは悟りを得たと言われています。

 いわゆる「縁起の法則」で、この世の中の出来事はすべて原因があるという考え方です。つまり、苦を滅するにはその原因を取り除かねばならないわけです。「これあればかれあり」「これなければ、かれなし」「これ生ずれば、かれ生ず」「これ滅すれば、かれ滅す」などと言います。悩み事や苦しいことが毎日ありますけれど、「私の運命だからしょうがない」とかいう前に、まずは原因を突き止める必要があるといわれたのですね。

 その後、お釈迦さまは梵天勧請を受けられ、布教活動を始められることになります。ですから、私にも早く梵天さまが現れていただけるように、今日は、四諦、八正道、十二因縁と、このあたりを改めて勉強したいと思います。今日も楽しい一日を。

※画像は天台宗公式HPより拝借しました