托鉢

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。昨日は、真如堂境内において、天台宗全国一斉托鉢の一環として、京都教区主催で托鉢を行いました。

 天台宗では、「慈愛の心で助け合い」をスローガンとして、毎年12月1日を「全国一斉托鉢の日」と定めており、全国の各教区ごと津々浦々において、天台宗の僧侶や檀信徒のみなさまが中心となって托鉢を実施し、街頭や各戸を訪問して募金活動を行っています。集められたお浄財は、一隅を照らす運動総本部地球救援事務局や、地域の社会福祉協議会やNHK歳末たすけあいやNHK海外たすけあいに寄託され、毎年多大な成果を上げています。ちなみに、令和3年度の募金総額は9,273,987円が寄せられた、ということです。

 ところで、雙林寺近くの建仁寺では、雲水さんが托鉢に市内を回られます。「オー~ェ、オー~ェ」なのか「ホ~ォー、ホ~ォー」なのか、文字では表現しにくい掛け声?で、あじろ笠をかぶり、僧衣に、手甲、脚絆、素足に草鞋を履き、首から頭陀袋を掛けて回られます。各家の玄関前に立ち、お経を唱えて食べ物やお金を鉄鉢(てっぱつ)や頭陀袋に収められます。そもそも僧侶は商売をしませんから、托鉢でその日の食べる分を頂きます。あわせて衣食住の欲を払い落とす修行なのですが、逆に、食べ物を施す方にとっては、布施行となりますから、双方徳積みになるわけです。今では、募金活動に思われがちですが、布施や喜捨の修行だということを忘れず、それはそれで、日本の托鉢ということでよろしいでしょうか。今日も楽しい一日を。