元三大師さま

 

角大師
 快晴の京都東山です。午後から真如堂境内にて歳末助け合い募金を行いますので、ご協力お願いします。そして、今年最後の元三大師さまのご縁日ですね。

 元三大師さまの幼名は、観音丸(日吉丸とも)といいまして、お坊さんになられると法名を「良源(りょうげん)」、諡号(しごう)は「慈恵(じえ)大師」と申されます。お命日が元日三日(正月三日)だったことから、通称「元三(がんざん)大師」とお呼びしています。さらに、変身されたお姿を「角大師」とお呼びします。結局のところ、どれも同じお坊さんのお名前です。第18代天台座主に就任され、比叡山延暦寺の中興の祖として尊ばれておられます。

 変身された角大師さまの由来は、永観2(984)年、全国に疫病が流行して、ちまたでは疫病の神が徘徊して、多くの人々が次々と全身を冒されていました。

 当時の天台座主、元三大師さまは、この人々の難儀を救おうと、大きな鏡の前に自分のお姿を映されて静かに目を閉じ禅定(坐禅)に入られました。すると、そのお姿はだんだんと変わり、骨ばかりの鬼(夜叉)のお姿になられたのです。それを見ていた弟子達の中でただ一人、明普阿闍梨だけが、このお姿を見事に写しとることができました。

 元三大師さまは、写しとった絵を見て版木でお札(ふだ)に刷るようにと命じられ、自らもお札を開眼されました。そして、出来上がったお札を一時も早く人々に配布して各家の戸口に貼りつけるように再び命じられ、病魔退散の実を見事に示されたのでした。

 やがてこのお札(角大師の影像)のあるところには病魔は怖れてよりつかず、一切の厄難から逃れることが出来たとのことです。以来千余年、このお札を「角大師」と称し、元三大師さまの護符として、あらゆる病気の平癒と厄難の消除に霊験を顕わされ全国的に崇められているのです。

 ということで、雙林寺の本堂には延暦寺カレンダーの表紙を額に入れて掲げていますよ。 おんばらだはんどめいうん 今日も楽しい一日を。