願主

しょうぐうさん

 曇り空の京都東山です。ぐっと気温が下がって寒いです。今月は下旬になると「火の用心~!」という掛け声と拍子木の音が外から聞こえてきます。ストーブなど火の取り扱いに注意が必要ですね。

 さて、祈祷のお申し込みをされるときによく聞かれるのが、祈祷申込者(=願主)のお名前のことです。自分のことではなくて、誰かのために祈りたい場合、自分の名前なのか、それともその誰かの名前なのか。

 たとえば、自分をAさんとして、「Bさんの病気が治りますように」という場合などです。お願い事(=願意)としては、「病気平癒」が一番に思いつきます。それで、祈祷申込者のところを自分の名前にすると、Aさんは病気じゃないので、違うように思えて困ってしまわれるわけです。Bさんの病気平癒なのに自分の病気平癒じゃないとなるわけですよ。そこで、Bさんのお名前を祈祷申込者にしようとされるのです。

 この場合、注意が必要です。祈祷を申し込まれるのはあくまでもAさんなので、申込者の名前はAさんです。ではお願い事はというと、「Bさんの病気平癒」とします。ただし、Bさんが病気でお寺へ行けないから、代わりに祈祷の申し込みをしてくださいと頼まれたのならBさんのお名前で記入します。他にも、「息子が結婚しますように」と、お母さんが息子の名前で良縁成就と申し込まれたりされますけれど、もしも、息子さんが結婚を望んでおられないのでしたら、本人の名前で申し込むのはちょっと違うように思いませんか。

 とにかくお願いするのはあなたご自身ですから、自分の名前をはっきり書いて、ふりがなをつけていただくと読み上げるときに困らないので、ありがたいです。今日も楽しい一日を。