お墓参り

 どんよりとした曇り空の京都東山です。午後からは雨の予報となっています。さて、少しずつ年の暮れが押し迫ってきました。檀家さんがお墓参りと併せて年末のごあいさつにと訪れられています。

 ところで、コロナが流行り出したころからでしょうか、お墓参りの代行業者が現れて、お墓参りに行かない方も増えたとか聞きます。様々な事情もあるのかもしれませんけれども、お墓参りはご先祖さまや故人と私たちの結びつきを再確認する大切な行いですから、自分が行わなければ意味がないように思います。

 お墓参りに特別なお作法はありませんが、大切なのはご先祖さまへの報恩感謝の気持ちを込めてお参りをすることです。実際のお墓参りについて一例を挙げてみますと、

  • お参りするために→輪袈裟・数珠・経本・線香・ろうそく・マッチ
  • 掃除用に→たわし・歯ブラシ・ほうき・ぞうきん・スポンジ・バケツ・ゴミ袋など。(バケツや柄杓などは、墓地、霊園で貸してもらえるところがありますます)
  • お供え用に→お花・菓子・果物・飲み物・故人の好きだったもの・それらを置くトレーや半紙など。

 以上のものを用意して、お墓を掃除し、線香・ろうそく・御供物をお供えして、できればお経をお唱えします。特に、時間が経つと墓石に水垢が付きますので、スポンジなどでこすって磨くとよいです。お参りが終われば、墓地で借りた用具類はきちんと元に戻し、ひとこと挨拶をして帰るくらいの心配りは忘れないようにしたいものですね。それから、お供えの食べ物や飲み物は持ち帰るように心掛けましょう。お下がりとして、家族で先祖のことなど話ながら食べるとよいと思います。

 忙しい現代では、このような丁寧なお参りは、思っていてもなかなか出来ませんが、せめてお盆・お彼岸・新年くらいは家族そろってお墓参りをして、菩提寺のご本尊さまへも併せてお参りして、故人を偲びたいものですね。今日も楽しい一日を。