正月事始め

 

 晴れ空の京都東山です。今日も一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、立派な稲穂になるという「一粒万倍日」の縁起の良い日となっています。昨日発表された「今年の漢字」は「戦」でしたね。世界中から戦が無くなり、平和な世の中になることを日々お祈りいたしております。

 さて、暦には「正月事始め」「煤払い」「松迎え」と書かれてあります。つまり、お正月を迎える準備にとりかかる日なのですね。いよいよ今年も終わりに近づいてきましたよ。

 調べてみますと、江戸時代中期まで使われていた宣明暦によると、12月13日の二十七宿は必ず「鬼」になっており、鬼の日は結婚式以外、万事進むに大吉、という大変縁起の良い日とされていたため、年神さまを迎える準備も吉日に始めることになったようです。

 一年の汚れを祓い清めるのが「煤払い」です。年末大掃除というのは、ここからきているようです。江戸城でもこの日に「煤払い」をしたことから、江戸庶民も精を出したそうです。雙林寺でも本堂で護摩を修しますので、煤払いを行います。一般的には、1年間の汚れを払って、隅から隅まできれいにすると、年神さまがたくさんのご利益を持ってきてくださるといわれているので、煤払いも盛大で賑やかな暮らしの行事のひとつとして行われたそうです。併せて、神棚や仏壇も大掃除にて清めましょう。そして、松迎えとは、門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行ったそうです。現代の生活ではピンとこないですね。

 いずれにしても、パンタカ兄弟のお話にもあるように、お掃除は修行の基本中の基本でもありますから、普段、掃除をしない場所をきれいにして、それから、モヤモヤ感の気持ちなども一新して、気持ちよく心地よく新しい年を迎えたいものですね。今日も楽しい一日を。