地蔵菩薩さま

地蔵菩薩(雙林寺蔵)
 快晴の京都東山です。毎月24日はお地蔵さまご縁日ですね。

 お地蔵さまはもともと長者の息子でした。ある日、獅子奮迅具足万行如来(ししふんじんぐそくまんぎょうにょらい)という仏さまに出会い、そのお姿の尊さ、お美しさにとても感動されました。「どのような誓願を修行されて、このような立派な相好を得られたのですか」と問われますと、如来は、「汝がもしこのような身になりたいと思うなら、いろいろ悩み苦しんでいる世の人々を、永い間、救ってやらなければなりません」と答えられたので、長者の息子は、「私も六道で悩み苦しんでいるあらゆる人たちを救い尽くして悟りを開き仏になろう」とお誓いをたてられたのでした。そして、地蔵菩薩となられて今もおはたらきになっておられます。お釈迦さまが亡くなられてから五十六億七千万年後に弥勒菩薩さまがこの世に現れるまでの仏のいない時代「無仏時代」に、苦しむ人々を救ってくださる菩薩さまです。

 お姿は、袈裟を纏い、剃髪された頭で、右手に錫杖、左手に如意宝珠をお持ちです。如意宝珠は思うままに宝を打ち出す宝の玉で、資源を生み出す大地を表しています。また、錫杖を持っておられるのは旅姿で、衆生を救うために六道を遊化されているお姿を表しています。

 丸い童顔に赤い涎掛けをされた僧形は、たいへん親しみやすく、京都ではあちこちに祀られ、時代劇の街道には欠かせない仏さまで、いつも我々を和ませてくださいますね。おん かかか びさまえい そわか 今日も楽しい一日を。