平安遷都、時代祭の日

 今朝は曇り空の京都東山です。今日は、大安と天赦日が重なる吉日となっています。天赦日とは、天が万物の罪を赦す日で、この日に始めたことはすべて成功すると言われています。そして、平安遷都、時代祭の日です。延暦13(794)年のこの日、桓武天皇が長岡京から山背国葛野郡宇太村(現在のJR二条駅北周辺だそうです)に新京を移され、その後「平安京」と命名されたのは、その年の11月8日だったとのことです。

 平安遷都1100年を記念して、明治28(1895)年に始まった平安神宮の例祭である時代祭は、毎年この日に開催されます。明治維新時代から平安京の造営された延暦時代までの時代時代ごとのそれぞれの衣装をまとった約2000人の市民らが、京都市内を練り歩く時代風俗行列です。平安神宮は、京都市左京区岡崎公園にある神社で、桓武天皇を祀る神社として創祀されました。また、1940年(昭和15年)には、平安京で過ごした最後の天皇である孝明天皇が祭神に加えられています。

 ちなみに、桓武天皇が遷都される際のエピソードがあります。和気清麻呂が天皇を東山山頂に狩りに行きましょうとお誘いし、京都盆地を見下ろしながら、この地こそ新しい都の場所にふさわしいところですと進言されたところ、天皇はその勧めに従って平安建都を決心されて、都の造営に着手されたということです。そして、新しい都の鎮護のために、高さ2.5メートル程の将軍のお像を土で作り、鎧甲を着せ、鉄の弓矢を持たせ、太刀を帯させて、塚に埋めるよう命じられたというのです。この塚は、「将軍塚」として、東山山頂(青蓮院境内地)に今も存在しています。これは雙林寺のほぼ真東に位置しています。

 もしも、桓武天皇がおられなければ、伝教大師さまとの交流はなく天台宗はなかったでしょうし、雙林寺も建立されていなかったでしょうし、今朝はあれこれと思いを馳せています。今日も楽しい一日を。